▼パトカーに卵を投げつけた少年グループのうち、新たに高校生を含む2人が逮捕され計9人となった。別に盗んだ消火器をパトカーなどに噴射して逮捕された少年の事件もあって大きく報道されたが、十数年前の県教育長の苦言を思い出す。「まねするやつが出てくるから、あんまり書かんでくれ」
▼そのころは校舎への爆破予告が続いた。警戒や捜索のため休校となったが、そのいくつかが高校生の仕業と見られた。「電話するだけで休校になるんだから、自分が高校生だったらやってやろうかと思ったかもしれん」
▼少年法が旧法で氏名など本人の属性を公表することを禁じたのは、まねを封じるためだったと言われる。パトカーに卵をぶつける行為は全国各地で発生しており、お隣岐阜県でも平成20年に少年6人が逮捕されている
▼偽の一一〇番をしてミニパトカーが現場に駆け付けるのを待ち伏せる手口も、「鬼ごっこみたいでおもしろい」という動機も酷似。報道やネットで情報が拡散されたのかもしれない
▼ミニバイクの集団が夜間、津署前に集結してエンジンをふかしてはやし立て、逃げる光景を目撃したことがある。警察官が2人、門の防護柵を閉めていた。別の日はミニバイク数台をパトカーが市街で追い詰める場面。分散し、奇声をあげて挑発する少年らに警察官が怒声を発し追いかける。確かに鬼ごっこみたい。少年らにすると幼い頃と同じスリル満点だったか
▼バイクから卵をぶつけて転倒し、大けがをした例もある。仮想世界でゲームに熱中するのは、思えば安全な発散と言えるのかもしれない。