伊勢新聞

2021年1月11日(月)

 

▼「従業員同士の会食禁止。同居家族以外の会食自粛の通知が会社から来た。年末年始に実家に帰っても食事はしないで帰ってこなければならない」と昨年暮れ、三重県四日市市で働く知人からメール。その少し前には「これだけ1日の新型コロナウイルス感染者数が多いということは、そこら中ウイルスが飛び交っているということ」

▼県民に警戒心は浸透している気がするが、連日の最多更新である。爆発とも思える増え方だが、にもかかわらず鈴木英敬知事は「今後の状況によっては強い措置をお願いすることになる」。はまだ早いということか。国や東海近県の「今後の状況によって」ということか

▼「強い措置」とは夜間の外出自粛や店舗への営業時短要請などが想定されると知事。そういうレベルか。発表の範囲では感染経路として目立つ親族間の食事会などにどう切り込むか。愛知、岐阜両県に緊急事態宣言が出された場合「独自の警戒宣言を出し、3県で面的対策を講じる」というコメントにも首をかしげる

▼東海3県の共通課題に取り組むこれまでの枠組み「3県1市」が、コロナでは姿を消した。大阪都構想は都道府県と政令指定都市の二重行政が一つの理由。菅義偉官房長官(当時)が東京都の感染拡大を「徹底的に東京問題」と批判してのも都と23区の二重行政を指摘したとされる

▼愛知県知事に対し「名古屋市と連携したら」と言ったのは大阪府知事。「まさに今が瀬戸際」(鈴木知事)に及んで「3県で面的対策」で十分か

▼コロナとの戦いこそ〝オール行政〟でなければと思うが、知事はいかがか。