2020年12月17日(木)

▼県発注の公共工事を巡る桑員河川漁協の事件を巡り、県議会常任委員会で責任を問われて、県土整備部理事は「発注者と受注者が一体的に取り組む必要がある」。えっ、我々も、と受注者もびっくりするのではないか

▼「不当な要求を把握していたのに、協議会を開催してこなかったことには大きな責任がある」という質問に対する答弁である。県が要求に応じよと言わんばかりに促したことが原因ともされる事件で、被害者の開発業者らは「発注者と漁協が一体的に取り組む必要がある」の間違いでないかと思うに違いない

▼「発注者としての責任を重く感じている」と理事は述べた。事件発生時の人ごとみたいな答弁からは大きな進歩だが、諸般の事情でそう言わざるを得なくなったということだろう。しらを切れるものなら切り通すのが行政であることを、県民は一連の経緯から学ぶことができる

▼発注者と受注者の一体感を前置きに自身の重い責任に触れ「受注者の立場に立ったマニュアルを整備するなど対策に取り組みたい」と続ける。見事な答弁だが、漁協の圧力に苦しんだ県職員が国の対応と異なる行政指導を編み出して開発業者へ矛先を向けさせたともされる事件である。業者を泣かせる指導を県職員はやめる、してはいけないという内規を作ればいいだけの話だ

▼旧上野市議会の決議を渡りに船と、思考停止して延々報償費を払い続ける行政とは、この際縁を切ることも盛り込んではどうか。要は、税金で済むことならとか、自分らが楽になるためなら何をしてもいいという県庁文化は改めていただきたい。