伊勢新聞

2020年10月26日(月)

▼県監査委員の定期監査結果報告に対して、県議会全員協議会で質問はなかった。想定時間の大幅短縮で、いつぞやの代表監査委員罷免騒ぎもなく、監査委員側はホッとしているのではないか

▼執行部総括と変わらず「内容がない。質問する気は起こらない」とか。思えば、罷免騒ぎも代表監査委員が現役部長当時に議会の反対を押し切った「データ伝送」の失敗の結果を監査報告に〝記載がない〟ことが発端だった。昨年の質問も、アコヤガイの死を監査しないことに対して

▼監査報告への事実上の「質問なし」が続いている。「『監査の意見』のほかは、概ね適正に処理、執行されていた」「『意見』について速やかに適切な措置を講じられたい」と毎年、判で押したような文言

▼その『意見』も、「新型コロナウイルス感染症対策の推進」の場合「状況を踏まえ、対策等の検討や県民及び事業者に対する情報提供・協力要請を適時適切に行うなど感染拡大防止に努められたい」。ほかも「取組を一層推進されたい」「一層の促進を図られたい」「早期発見、是正に取り組まれたい」

▼ア、コリャコリャと合いの手を入れたくなる。「政策を後押ししてもらっているようでありがたい」という職員の皮肉が、県議らには額面通りに聞こえるに違いない

▼監査委員事務局だけが監査対象外というのも、カラ出張発端の部門であるだけにいかがなものか。「押印の原則廃止」(鈴木英敬知事)は県の事務処理効率化に役立つに違いない。判で押したような報告や事務手続きの原則廃止は風通しのよさと、県民への負担軽減になる。