<まる見えリポート>国民、立民県連決別 来月に各新県連設立へ

【平成31年2月9日に開かれた旧国民県連の設立総会。立民県連と合流せず、新たに県連を結成する=四日市市内のホテルで】

旧・立憲民主党と旧・国民民主党の合流がご破算し、それぞれ新・立憲民主党、新・国民民主党が結成された。県内でも県連同士の合流を目指していたが、当初から終始一環して否定的だった国民県連が拒否。合流せずに、新たに来月にも国民県連を設立する方向で準備を進めている。新立民県連も来月発足する予定だ。かつては「民主王国」として政権交代の原動力となった県だが、あらためて別々の道を歩むことになった。ただ、合流が是なのか非なのか、その答えは国民の審判しかない。

「県連は合流に反対です」。1月4日に国民民主党の玉木雄一郎代表が新年の伊勢神宮参拝で来県した際、金森正代表を通じて県連の意思を伝えた。県連関係者によると、合流話が本格化した昨年末から県連として「選挙目当ての安易な合流はしない」との意思確認をしていたという。

合流がとん挫した要因の1つは、党中央と同じように国民支持の産別6団体からの抵抗が大きかったためだ。特に立民の原発ゼロ政策に電力総連らの反発が強く、三重県連でも党本部の会合で「基本政策の合意なくして合流はできない」との考えを訴え続けてきた。

ただ、県連の合流拒否は産別労組の関係だけではない。県連は国会議員が1人も所属しておらず、役員の中に党籍のある現職議員は市議1人だけという小所帯。そのため「国会議員らが指示すれば何でも言うことを聞くという“上から目線”の対応」(同)に反発。次第に信頼関係が薄まっていったと見られる。

一方、見誤ったのは立民側。国民や立民関係者らが集まる三重民主連合の会合で、岡田克也衆院議員らから「お盆までに合流を決めてくるように」とのお達しを受けていたが、くみしなかった。関係者によると、「合流に向けた積極的な働きかけはなかった。まさか合流しないという判断をするとは思わなかったにちがいない」とする。

とはいえ、来月発足の新立民県連は旧県連から規模拡大し、県議会会派・新政みえ議員をはじめ地方議員40ー50人が参加を予定。県内に一大勢力が誕生する見込みだ。

旧国民県連も新国民に電力総連や電機連合の組織内議員が合流したこともあり、新たに県連を設立する方向。これまで推進力となっていた中森慎二幹事長が急逝したが、県連関係者は「小さい組織ではあるが、新たなスタートを切りたい」としている。

一方、つなぎ役の三重民主連合も依然、存続することになった。ただしこれには、存続を主張する岡田氏と、反対する芝博一参院議員が大げんかを繰り広げたという話も漏れ伝わっており、先行きが危ぶまれている。

県連同士は決別したが、選挙協力が出来れば問題ないとの意見は根強い。一方で、元民主党衆院議員の藤田大助氏は今回の合流問題を受け、「政策の一致なしに安易に選挙協力すべきでない。そうでなければ国民の理解は得られない」と指摘している。

新立民と新国民が結成され、各県連も新たな船出となった。国民の理解を得られるのか、審判の時は迫っている。