伊勢新聞

2020年9月20日(日)

▼三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の見直しの発表の翌日に、新型コロナウイルス感染拡大防止指針を緩和する。「対応に一定の区切りが付いた」として、鈴鹿厚生病院から国のクラスター(感染者集団)対策班が撤収した15日、同病院の看護師が発症。17日に1人、18日に2人と入院患者の新しい感染が続く

▼いずれも「当初の検査は陰性」で、その後の再検査で陽性と判定された。「職員濃厚接触者を自宅待機とし、施設内の徹底した消毒作業を行っています」(同病院)の中での感染の連鎖である。PCR検査に引っかからない謎のウイルスの本領発揮か、クルーズ船のように密閉空間に隔離されたため感染が広がっているのか。個別の情報しか知り得ない側としては戸惑いと不安が募るばかりだ

▼15日に感染が判明した津市議の濃厚接触者や接触者の検査結果にしてもそうだ。17人が全て陰性だったという。同市議に関する情報は、これでおしまいになるか。では、どこから感染したのか。感染経路については、同日感染が判明した津市の薬局事務員とともに「調査中」のまま。多くの感染経路不明の感染者同様、調査結果が明かされることはないに違いない

▼連休前のイベント開催基準緩和はコロナ禍以来初めて。鈴木英敬知事は「ウイルスがなくなったわけではない」としながら「感染者は減少傾向」。指標の緩和などについても「これまでの考え方を維持しつつ、確保している病床数などを踏まえて設定した」。一方で国の通知なども踏まえという

▼ちぐはぐ感は否めない。