▼次期県議選の議員定数と選挙区を議論する方法について、日沖正信議長が改選前に設置した特別委員会以外も選択肢に入るとの見解を示した。特別委とは、結論を出せぬまま平成29年度を最後に活動を停止した選挙区調査特別委員会のことか。改選後2年の休眠を経て存続していたということに目をぱちくりさせられる
▼委員会の存廃は同30年1月の会議で「閉じる」とする三谷哲央委員長(当時)と、反対する西場信行委員(同)との間で激論になり、三谷委員長は「調査終了」を宣言し「最後の委員会」としてあいさつした。その結果存続していたのだから、定数を巡る議会の微妙さと県民の分かりにくさを象徴している
▼前々議会で6減の「45」とし、実施は次期改選に先送りしたが「次期」で覆り「51」に戻った。打開策として外部識者による「選挙区と定数に関する調査会」を昨年6月設置。この8月末に座長素案が出て、今月末に最終報告の予定だが、前途に早くも漂う暗雲を「特別委発言」は物語っている
▼調査会は東京で開催し、議事録も未公表。座長素案も平凡な内容だが、それでも、定数を「原則として削減すべき」とした基本論のような提唱に議会から「一般論」として記述するよう注文がついた。手ぐすね引かれている緊迫感があり、調査会も平凡な提案しか出せまい
▼会合は最終の一回を残すだけだが、素案の所感を問われて議長は「まだ調査が続いている」「公平な状況を損なう恐れ」などとし答えなかった。みんながへっぴり腰になっているようで、観客席は苦笑させられるだけだ。