伊勢新聞

2020年7月31日(金)

▼新型コロナウイルス感染者が県内初の2ケタに乗って10人。鈴木英敬知事は「極めて警戒感を持って注視しなければならない案件。接触者調査を徹底する」。注視=視力を集中して見つめること。注目(広辞苑)

▼前日の新型コロナウイルス対策本部員会議後の記者会見では「おおむね感染経路は推定され、感染者の接触者に対する検査もほぼ終了している」。接触者検査はほぼ終了し、今後は接触者調査を徹底する―もう少し分かりやすい説明をしてもらえないものか

▼接触者調査の結果から感染者が拡大していることは間違いない。その調査対象が徹底していないから、より徹底していくということか。とすると「市中感染が広がっている状況ではない」という知事の知見の根拠は何か。広がっているかどうかは分からないのではないか

▼「感染場所より行動範囲を知りたい。県外居住者は県の発表にはないのだから市中感染のリスクはあると思った方がいい」というのは四日市市の友人。「スーパーは公表したが、志摩市で会議した伊勢市の感染者は勤務先が不明。この違いは何か」は志摩市の知人。不安は県内に広がっている

▼厚労省が「コロナうつ」の実態調査を始める。外出自粛や休業要請で強いストレスを感じて自殺に走ることや、最後の一線を越えさせることが懸念されている

▼若者が多く、軽症なのが知事の「第一波とは違う」という見方になるのだろうが、ウイルスの変異は早く、強いストレスは基礎疾患の一つという。脅威となるか沈静化するか―まずはじっくり見極めてというわけではなかろうが。