伊勢新聞

2020年7月5日(日)

▼新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休校の影響で、県立高校51人が欠席しているという。感染を恐れて登校を控えている生徒も二人いるらしいが、だからすべてが新型コロナのせいかのような見解はいかがなものか

▼不登校が最も発生するのは夏休み明けで、次いで春休み、ゴールデンウイークと続く。「約三カ月間という長期の休校が続いたことで、友人関係や学習状況に対する不安があるのではないか」という県教委担当者の見方は、休校以前から指摘されていたことでもある

▼不登校生徒支援にオンライン授業の準備を早急に進めるという。オンライン授業はコロナ対策として急速に注目度が増し、県は予算をつけ、県教委も小中教員対象に研修を進めるが、次善の策として活用する以上に依存するには、システムの整備以外の検討も急がなければならないのではないか

▼電子部品への電磁波干渉事故を防ぐための国際基準変更に伴う検査棟の内覧会で、鈴木英敬知事は「自動運転化で安全性が重要となる中、時宜を得た試験場」としてサポートを約束した。電子部品だけでなく、我々を取り巻く電磁波の量も急増している。特に児童生徒の環境は深刻。発がんの危険や発達障害の懸念などで各国が基準を厳しくし、無線LANを禁止する中で、日本は最も緩いレベルを維持している

▼NHKの番組で、国立成育医療研究センターの仁科幸子眼科医長は児童生徒へのデジタル機器の普及度と近視の増加が比例するとして、緑内障や網膜はく離への警鐘を鳴らした。角を矯めるのはいいとして、牛を殺してはなるまい。