2020年7月3日(金)

▼開発工事の汚濁水を巡り、開発業者に現金を要求し、親族の建設業者を下請けに入れようとしたなどで恐喝、強要の未遂容疑で逮捕された桑員河川漁協組合長の事件で、被害を受けてきた建設会社社長が、カネを支払わざるを得ないよう指示した県など「行政は事実上、共犯」と語った

▼その県が、下請けに入ろうとした建設会社を指名停止処分にした。先の社長の論法を借りれば「仲間割れ」になるのだろう。共犯同士が血で血を洗う惨劇に発展するのはミステリードラマの定番だ。行政指導で犯行へと仕向けたなどへ話が進まないうちの素早い対応ではある

▼平成7年の知事選で、前副知事を支援して北川正恭氏から「県庁集票マシン」と言われた県職員が、北川氏の当選から就任までの県政レクチャーで「さわやか」「生活者起点」など北川語録をちりばめ、北川氏を感嘆させた。変わり身の速さには定評がある

▼リゾート法指定を受け、ホール数で決めていたゴルフ場開発規制を解禁したことがある。太陽光発電並みに申請が殺到し、慌てて再規制したが、投資した開発業者が県の指示で損害を被ったと訴訟を起こした。行政指導は法律ではないので嫌なら従わなければよかったではないかという県の反論書にあ然とした

▼生コンクリートの営業地域を行政区分で固定した行政指導も大いに揺れた。市境の公共事業で領分を超えたなどの争いになり、県はエリア規制を撤廃したが、各方面からの圧力で元に戻し、再検討すると称しうやむやにしてしまった

▼恐喝、強要とは呼ばぬが「圧力」の強さ、弱さは心得ている。