伊勢新聞

2020年6月22日(月)

▼岡田克也元副総理が三重民主連合会長として記者会見に臨むのは3月21日以来か

▼前月27日、安倍晋三首相が小・中・高校臨時休校を要請。県は感染症対策本部を設置し、3月5日には鈴木英敬知事が海外渡航自粛を呼びかけ同13日、新型コロナウイルス対策特別措置法成立へと続く。緊張感増す中での会見で、岡田会長も「対策本部」設置を明らかにしたが、マスク姿ではなく、隣席との距離も普通だった

▼今回はマスク姿。隣席の中川正春顧問もマスクをかけ、両者一定の距離を置く。3カ月で変わった世相を映し出すが、物々しい感染防止の構えとは裏腹に、会見の中身は吹き始めた解散風が中心。コロナ禍については地域住民から影響などを聞き取るというだけ

▼焦点の野党共闘についても「本格的な話には至っていない」として「懸命に努力しているが、最終的には党首らの判断」。「使命」として政界での立ち位置を決めてきた割にそっけない。距離を置き始めた気がしないか

▼東京都知事選が試金石と言われた。東京一極集中と地方分権という日本を占う1つのキーワードが、コロナ禍で格段に重みが増したともいわれたが、一本化に失敗した。力を入れる政治課題は必ずブログに何らかの言及がある岡田会長だが、今回はない。どう「懸命に努力」したのか、片りんぐらいは聞きたかった

▼失敗の理由は、報道の範囲では消費税撤廃に対する見解の相違という。1つの政策で、野党共通の政治課題が左右されてしまったのか。表向き映るスタイルと中身との違和感を、会見の写真を見ながら思った。