伊勢新聞

大観小観 2020年3月29日(日)

▼「任期最後の記者会見」と一昨日書いたばかりで、再び廣田恵子県教育長の会見の様子を伝えるのは恐縮。前回は「定例会見」で、今回は学校再開の”緊急“会見。といっても読者にはあずかり知らぬこと。おわび申し上げる

▼その会見がまたまた高校教諭への厳重注意処分と重なった。一昨日は、上司らの印鑑を無断使用した埋蔵文化財センター文化財技師への停職処分。今回は、部活動で生徒らを東京に引率した顧問が飲酒して厳重注意処分。「情けない」と前回語った廣田教育長は音なしの構え。遺憾を通り越し困惑の体か

▼代わりに本人の言葉を県教委が伝える。「卒業生と久しぶりに会い、仕事の相談を受けたので飲んだ」。街中で旧友に再会した感覚か。引率中の緊張、責任感に勝った理由としてまことにお粗末。引率中の飲酒禁止を服務規律で通知しているという。公務員の出張手当は終日勤務状態が前提とされる。50代の教師に、そんな二重の縛りは体に染みこんではいなかったのだろう

▼県職員より数の多い教職員だから、不祥事が多いのは仕方ないことかもしれないが、こう続くと資質ということも考えてみたくなる。両者の採用基準の違いは、面接の比重ではないか。筆記試験一辺倒で教員の適性が判断できるかと県議会で問題になったことがある。時間を増やした上での面接重視を県教委は約束した

▼以来、情実のうわさは県人事課でも冗談交じりに語られる。面接で適性が判断できるものか。受験技術が向上し、見分けがつくかどうか。当時と変わらぬのは教員の問題行動が相次いだことである。