伊勢新聞

2019年12月13日(金)

▼県議会でのやりとりで初めて聞いたのに「おや、どこかで」と、以前も体験したかのようなデジャブ(既視感)に襲われることが少なくない

▼といっても、近畿ブロック合同防災訓練の開催経費が想定の約1・6倍に膨らみ、常任委員会で「積算が甘かったのでは」と指摘されて担当部門が「見込みが甘かった。今後は教訓にしてしっかりやりたい」と答えるなどは、頻繁過ぎてデジャブどころか忘れる間がない

▼国の事業などは負担配分が決まれば設計変更以外、増加分は自動的に配分される仕組み。負担が2倍、3倍に増え、議会が紛糾することも。県発注事業でも、廉価で落札後、費用が跳ね上がったりする。計算づくではないか疑われたことも

▼防災対策部が説明した費用拡大理由の「地盤改良」は定番でもある。デジャブの気がしたのは「自転車活用推進計画」(仮称)の素案の方。自転車活用推進法から3年、特に動きもなかったが、昨年6月に自転車活用推進計画が閣議決定されたので、にわかに年度内に案をまとめるという

▼自転車には危険な道路の改良手法を問われ、県は「自転車の安全確保を呼び掛ける啓発などでフォローしたい」ととぼけた答弁をした。計画策定後は、あとは野となれ山となれ、と言っているようでもある

▼いつぞや車いすが歩道を通行しやすいように、すれ違える広さに拡幅するという構想が県から提示されたことがある。歩道で車いす同士すれ違うケースがあるのかとあきれられたが、めでたく立ち消えになった。再来か。予算を獲得するのが有能という県職員の評価は変わりないようだ。