伊勢新聞

2019年12月7日(土)

▼奥野英介県議が壇上外の思わぬ出番で議会の盛り上げ役に。マラソン練習で半月板を損傷した廣耕太郎議員が3日の一般質問で、同僚から気遣いの言葉をかけられたのに、奥野県議からは「酒飲んでやらかしたんやろ」と言われたと、議場を大爆笑させた

▼5日は三谷哲央県議が「奥野議員の初日(11月29日)の一般質問を聞いて驚いた。予定した質問5項目のうち3つがかぶってショック」。「性格は相当違うと思うが」と続け、こちらも議場を和ませた。こわもてに見える奥野県議だが、案外親しまれているのかもしれない

▼質問が重なることはよくある。後の質問者が「角度を変えて」などと断って似た質問をするのが一般的だが、三谷議員は「オスプレイ」以外差し替えたようだからベテランの面目躍如だ。「常態化とは」と問い、日米地位協定に基づく11月の合同委員会で、明野飛行場は「期間を限定して利用することで合意」など、危うい状況の答弁を引き出した

▼「性格の違い」は知らぬが、関心の対象が似ているということではあろう。深追いしないのが三谷県議か。当たりが柔らかい。東京オリ・パラのビジョン「スポーツには世界と未来を変える力がある」に基づく社会的課題への貢献を紹介し、三重とこわか国体・大会をただした

▼理念などを並べる当局に「質問が抽象的だったので答弁もご苦労されたのではないか」。「具体的議論はこれから」とくぎを刺したから、スポーツ推進条例の前文を読んでお茶を濁した鈴木英敬知事も、スポーツの社会貢献という新分野に取り組まねばなるまい。