伊勢新聞

2019年10月30日(水)

▼県南部に大雨警報が出ている中で県のホームページ「防災みえ.jp」が約1時間閲覧不能になったことについての県議会予算決算常任委員会。廣耕太郎委員「(システムの委託業者との)契約方法は?」、日沖正人防災対策部長「基本的には入札だが、委託先が発注した業者が運営しており詳細は今、お答えできない部分があり、改めて」、廣委員「3千万円以上の入札で、分からないというのは納得できない」

▼ことほどさよう、一事が万事―だろう。運営業者がシステムを止めずに保守整備をしていたが、保守整備のプログラムに不具合があった。常用と予備のシステム2系統とも止まった、というからばかばかしい

▼保守整備をやることの報告も受けてなかった。「災害対策本部が設置されているような状況ではメンテナンスを控えるよう、業者に申し入れた」(同部長)。後の祭り。防災を任せられるか疑問に思えてくる

▼予兆はあったのではないか。県は平成28年、HP管理を委託へ切り替えたが「ドキュメントが見当たりません」の表示が出てくることが実に多い。「アドレスが変わりました」という指示に従ったのに出てくることもある

▼安全安心を委ねる業者としては心もとないと感じなかったか。災害への備えが進んでいるかの県民アンケートで、実感しているという回答が3年連続3割。進歩がないじゃないかという質問に、日沖部長は「7年前の第1回に比べると9ポイント上がっている」

▼だから3割の横ばいを続けてもいいではないかと言うことか。仕事は言い負けぬ話法を磨くことではあるまい。