2019年10月6日(日)

▼地方分権について、全国知事会など地方6団体は「権限移譲、関与廃止、補助金の一般財源化を主張している」と言ったのは片山善博元総務相だ。しかし、住民自治の強化になると、全国知事会を市町村長会が一転して抵抗勢力に回ると続けた

▼憲法が定める「地方自治の本旨」には団体自治と住民自治があるのは学説の定説。代表的な住民自治には解職請求権や住民投票条例が該当する。選んだ首長が当て外れだったら引き下ろす。重要なことを決めるのに議会任せにしないで、住民自身が意思表明する仕組みだ

▼団体自治の強化とは自治体の独立性、自立性、権限の強化であり、自由度の拡大だが、住民自治の強化は、団体自治の制約になる。6団体は地方への分権委譲を求めて、渋る国と対立する。その6団体は、自分らを監視してくれ。欠陥があればすぐに辞めさせることのできる仕組み整備しようとは「口が裂けても言わない」。要は「住民の意思がより首長に注入される仕組みの提案は地方の権力者、6団体側からは決して出てこない」

▼以上、共同通信加盟社論説委員会議での発言。「決して」は言い過ぎだったか。鈴木英敬知事は新年度予算案に県民のアイデアを募る「県民参加型予算」を提唱した。県民の意思を直接県に注入する風穴には違いない。知事の予算提案権を侵すことは厳格に許さなかった北川正恭元知事、二元代表制に疑義を示した野呂昭彦前知事には思いもしない提案だろう

▼西場信行県議が「予算編成の方法を全く変えようとしている。なぜ導入する必要があるのか」。当然の反応である。