伊勢新聞

2019年9月11日(木)

▼前回比14・37ポイント減の投票率にもかかわらず「4年の評価をいただく選挙で7割を超える支持があった。まちづくりの方向で一定の評価をいただいた」と、松阪市長選で再選した竹上真人氏が悪びれず胸を張ったことと関係するかどうか。本紙は有権者全体に占める得票率が26・70%だったことを報じていた

▼為政者として心に刻みつけておかなければならない数字だが、竹上氏は「統一地方選、参院選と選挙が重なり、市長選があると分かってもらってない。肌で感じていた」「まちのリーダーを変えなくちゃならんとなると大挙して投票に行くが、変える行動に移っていない。消極的な支持があった」

▼まあ仕方ないか、という半ば諦めも消極的支持の有力な中身だが、何事も都合のいい解釈をするのは、2期目スタートに当たり気持ちを奮い立たさなければ持たないという意識の表れか

▼「『豪商のまち』中心市街地土地利用計画」を目玉に「まちを元気にしていく取り組みをさらに積極的に進める」という決意に照らし不本意なことではあったろう。相手候補からは豪商のまち計画を立案するそもそもの有識者会議が非公開だったことを批判された。非公開理由が「自由闊達な意見・提案をいただく」ためという。何を言っても責任を問われない会議だったと言われても仕方ない

▼「基本的非公開」と発言し「原則非公開」との違いの説明に追い込められたのは不手際だった。4回目以降は〝原則公開〟にせざるを得なくなり「知らしむべからず」と思われたかもしれない。その可能性も為政者は心に刻まねばなるまい。