▼災害時の集合場所や連絡手段について、子どもと話し合えている家庭は5.9%という。「全く話し合ったことはない」が23.2%、「あまり話し合えていない」が57.9%だった
▼大手玩具メーカーのバンダイの調査。小中学生の子どもを持つ親900人に子どもと一緒に回答してもらった。7割が何らかの防災対策をしていたというから意識の高い家庭に違いないが、その家庭にしてということである
▼災害対策は、大災害発生で一気に高まり、時間の経過とともに風化していくと言われる。県でも避難勧告の発令がほとんど守られなかったなどの実例があり、数年前の特別警報新設や「避難準備・高齢者等避難開始」など避難を促す情報の細分化は、一つには行動を促すねらいがある
▼子どもと話し合っていない家庭がほとんどという結果も、そんな傾向を裏付ける。災害対策だけでなく、家庭の中で、直面する課題にどれだけ真剣な会話がされているかは疑わしい。夫婦の会話でさえ10分未満が26・7%、5割以上が30分以下という調査が数年前にあった。年を重ねるに従って短く、以心伝心とうそぶく夫が退職すると途端にぬれ落ち葉になって妻に嫌がられるという話題もあった
▼ネット犯罪から子どもを守るための携帯やスマホのフィルタリングソフト利用率も中学生でほぼ5割。高校生は3割。利用しない理由は親子の会話不足で、根拠不明な「子どもに対する信頼」が上げられている。県でも3年前の調査で利用率は62・5%。中高生の区分はなし。保護者の無理解を阻害要因にあげているが以後、調査されていない。