2019年6月18日(火)

▼「私はダブル選はないと申し上げてきた」と自民党参院選立候補予定者の決起大会で、同党の川崎二郎衆院議員。「あの中にいると何となく解散風が吹いているかどうか分かる。また、分からないと、あそこに居続けることはできない」と言ったのは北川正恭元知事。あの安倍晋三首相の情報戦の仕掛けに動じることがなかったとは、さすがベテラン議員だ

▼恥ずかしながら、筆者も同日選はないとひそかに言い続けてきた。鈴木英敬知事があれだけ引っ張って3選出馬表明したのは、同日選がないと見極めをつけたから以外、ふに落ちる理由を見いだせなかったからだ

▼進退を問われた昨年12月末の記者会見で「タイムリミットは決めてない。設定するものでもない」「県民の声を聞いて熟慮中」などとそっけなかったが、首相の神宮参拝をはさんで今年1月7日の会見は「しかるべき時期に最終判断をしていくことになる」「今日は最終判断を示すタイミングにはない」。風向きががらりと変わった

▼伊勢志摩サミットに最後に立候補したが、軽井沢説が有力だったころ、浜松市長は会見で「首相参拝の時に打診されたと(鈴木知事が)言っていた。三重県で決まりだと思っている」。同日選がないことを首相参拝で最終確認したのではと、勝手に決めつけていたのである

▼解散風のころ、知事も連日上京し政府要人、党幹部を回ったらしい。「現職の知事だから感覚などは控える」としながらも、同日選での出馬の有無を問われ「4年間頑張ると言っている」。当事者としては、心中紆余曲折があったのかもしれない。