2019年5月24日(金)

▼県教委は障害者の受験資格のうち「介助者なしに職務を遂行できる」の項目を削除した。社会への参加を阻害している障壁を取り除く合理的配慮の不提供は差別だとした障害者差別解消法が施行されて3年。法が反映されるまで長い道のりだった

▼通勤にも同種の制約があると議会から指摘されていたが、その言及がないようなのは、何も一度に改めなくてもいいじゃないかということか

▼障害種別の特性や必要な配慮を学ぶ養成講座を学校長を対象に始めたというのも、だから実現とはまた別の話。視覚障害者の採用枠を長年拒んできたのは、どんな働き方があるのか考えもしなかったこともあろう。特性や配慮を学んでから、さてどんな仕事があるか、現場の分析に入るということか。まだまだ山あり、谷ありである

▼改選前の2月県議会で、野口正県議が民間企業の障害者を県が引き抜いていくという話をしていた。水増し雇用発覚以来、3、4年かけて育てた優秀な障害者が県にいいとこ取りされる。3人の経営者から相談されたそうだ

▼自席で鈴木英敬知事と担当の雇用経済部長、子ども・福祉部長の3人がしきりにうなずいていた。実際に水増しが大量で、従って雇用を急ぐ県教委がどうだったかは中継のカメラが追っていないので不明だが、特に変化がなかったからか

▼国会がやはり民間圧迫を、その2カ月後取り上げた。厚労省は事実を認め、法定雇用率未達企業の公表、勧告は年内見送る方針を示したが、県教委はこれも初めて約10人と、障害者の採用見込み数を明示した。いつもの通り、我が道を行くか。