伊勢新聞

2019年4月28日(日)

▼いよいよ平成と令和をつなぐ10連休に突入した。帰省を含む旅行に出かける人が国内外ともに過去最高の見込みでJR新幹線、在来線特急の予約が前年比6割増、国内航空便は2割増と景気がいいが、「自宅でゆっくりする」が7割以上だったという調査もある

▼明治安田生命のインターネットでの調査によると、回答した男女1620人のうち、自宅静養が74・7%で国内旅行、帰省が約15%ずつ、海外は2・2%だったというから、東京駅や羽田空港の混雑開始というのも、全体から見ればコップの中での嵐なのかもしれない

▼高速道路の大混雑も大型連休恒例だが、今回は東名阪の御在所サービスエリア(SA)が、新名神の開通で集客に苦しみ、改元記念で増える神宮参拝客頼みという。伊勢自動車道が久居インターまでしか開通していなかったころを思い出す。国道へ下りる車で混雑し、沿道は名産の梨の出店がずらり。松阪への延伸でほとんどが姿を消した

▼十連休中はどのくらいのお金を使うか。明治安田生命の調査は、昨年のゴールデンウイークより増やすが30・8%、減らすが18・3%。別に「ゼロ円」の回答も27・8%あり、二極化が進んでいるという分析だが、半々ということでもあるまい。円安で食料費など生活関連品の値上げが相次いでいるが、給料の伸びは低い

▼いかに祝賀ムードでもゆとりを持って10連休を楽しめるのは公務員や大企業労働者など。サービス業は普段に増して忙しいし、非正規労働者は3分の1の給与ダウンになりかねない。悲喜こもごもの平成の終わり、令和の始まりである。