2019年4月27日(土)

▼3選後の実質初の鈴木英敬知事の記者会見が、2年連続来館者数が減少した県の首都圏営業拠点・三重テラスの平成30年度運営状況の発表だった。知事の満足度がどうかは分からぬが、大方の県民にとっては肩すかしにあった気分ではないか

▼「量より質への転換」として昨年、新たな目標軸に設定した県産品購入者数などの「三重の魅力体験者数」はめでたく達成したが、何と言っても開館以来、共通の指標である来館者数が惨敗に終わった。「真摯に受け止め、改善を考える必要がある」(知事)のはいいとして、まずはお役所仕事を改めるべきではないか

▼来館者数は毎年順調に伸びて伊勢志摩サミットの28年は74万3千人。これを機に翌年はさらに増加を目指すのではなく、何と目標値を実績より14万人減の60万人に下げ、66万8千人の実績に「目標を達成した」と総括した。翌30年度は、またも実績より下げて61万人の目標。民間では考えられない設定だろう

▼目標値を下回ったことについて、知事は「さまざまな独自の取り組みをしたが、増加には至らなかった」。が、その下地は前年に作られていたのではないか。前年実績を下回って担当者らに充実感があったとは考えにくいし、目標達成の創意工夫も、死にものぐるいというほどにはなるまい

▼「提案力や実現力に元気がなくなっている」というのは雇用経済部に対しての知事の苦言だが、ぬるま湯から出たくないのは人間の心理である。運営事業者の応募が1業者だけというのがこの日のあるのを予言していたと言えなくもない。