伊勢新聞

2019年4月11日(木)

▼カラ出張を受けて県が中元お歳暮の自粛などの改善策を打ち出したころ、外部団体の会議で昼に弁当が出てくるとそそくさと席を外して、他の出席者を苦笑させた。カラ出張での飲み食い代は1人1回1万円以上。千円程度の弁当を辞退する姿に、あつものに懲りてナマスを吹くを連想したものだ

▼効果抜群ではあった。中元お歳暮品も「このたび慶弔自粛が通達され」などの文書を添えて返送されたが、のど元は過ぎたか。通達などではとてもとてもということだろう。相次ぐ不祥事受け、県は処分の厳格化を打ち出した

▼傷害や痴漢など、公務外の違法行為を中心にというのは遅きに失する感もあるが、国の改定に準じて公文書取り扱い規定を新設するというのは別の話ではないのか。鳥羽港の公文書改ざん事件は、この中に入るのかどうか

▼入札業務を巡って県児童相談センターが複数の対応ミスをした上、仕様書の見直しを名目に入札を中止するという口裏合わせはどうなるのか。日常茶飯事に起きている県ならではのお定まりの例と推察できなくはない。再発防止策の目的は「県民の信頼確保」。その多くを担っていると見える教職員には適用されるのかも気になる

▼県がカラ出張事件を終結させてから2年。続けていた〝実績〟が県教委にはある。我関せずと県の改善策を傍観してはいないか。越境入学問題では現場の責任を問わず。スクールセクハラが連続発生している中で処分の甘さ、不均衡は目に余る

▼県はまた、再発防止策で厳罰化以外にも、外部視点の導入など6つの改善策をあげていた。お忘れなく。