伊勢新聞

2019年4月9日(火)

▼福岡県知事選で自身主導した自民推薦候補が大差で敗れ、麻生太郎副総理は「誠にふがいなく、力不足だった。期待に応えられずおわび申し上げる」。責任を取らぬことで知られるが、さすがに認めざるを得なかったと見える

▼県知事選・県議選の投票率は前回を大きく下回り、県議選は過去最低だった。県選管は、人口の多い都市部の県議選無投票などが影響したと見ているらしい。激戦となった四日市市も鈴鹿市も津市も軒並み投票率を下げた。責任転嫁に麻生氏もびっくり、ではないか

▼18歳以上への選挙権年齢引き下げで、有権者数は前回比約1万人増。投票者数は2万人減った。無投票選挙区は3選挙区減。増える要素もあったが、それは言わぬことにして、旧民主党系が相乗りや不戦敗にしちゃうんだから、と言いたいのかもしれない

▼「圧勝できるかが問われる」(三ツ矢憲生選対本部長)として、現職は前回選の得票数、得票率を上回ることを目ざして達成した。有権者の5割を切った中での大勝利。めでたくもあり、めでたくもなし

▼6選した田川亮三元知事の3選以降の悩みは投票率をどう上げるかだった。啓発費を増額し、選挙期間中「ぜひ投票所」へと呼びかけてみても40%台が続き、ついに30%台へ。飽きられている、信任されたといえるのか、の声が強まった。究極の奇手が、自身の途中辞任時期を統一地方選に合わせること。保革真っ向勝負だったこともあって、次回は70%近くへ上昇したが、残光は無関心の山に隠れつつある

▼オール三重も蚊帳の外の半数強を除いての話になりかねない。