2019年3月17日(日)

▼「推薦など決められないんじゃないか」と観測が出ていた旧民進党系の地域政党「新政みえ」が、知事選で現職の鈴木英敬氏の推薦を決めた。統一地方選の掲示板が立ち、選挙ムードをかき立てるが、盛り上がりはいまひとつ。その中で、告示わずか5日前の推薦決定は、水面下のドタバタ劇をうかがわせる

▼鈴木知事の三選出馬表明後の取材で、新政みえ幹部は「参院選をいつまでも引きずるつもりはない」としつつも「総合的に判断する必要がある」。前回参院選で知事が自民候補を応援したことへのこだわりだが、「引きずらない」が現実的選択としても、推薦はした、今夏参院選で再び自民候補を応援された、では目も当てられまい

▼自民陣営は安倍晋三首相のホットラインでの要請に自信を見せる。「総合的判断」はその見極めに堂々巡りの時間を重ねてきたのではないか。旧民進党陣営の中で、まず推薦の声をあげたのは、現職寄りを宿命づけられている県職労である。傘下労組の表明を受け、連合三重が推薦を表明。立憲民主党県連の候補選考断念と、流れるように日程が進んだ

▼「もう少し時間がほしい」(中川正春会長)と言ってきた三重民主連合が音無しの構えなのも意味のないことではあるまい。新政みえや連合三重で築く「三重県方式」が統一地方選でこれ以上傷つき、参院選に影響することを避けることが最大の目標だろう

▼現職有利が動かない知事選の対応で、鈴木知事を自民に追いやる事態は、最悪の選択ということか。知事選は党利党略、派利派略か。盛り上がりようがないのも無理はない。