2019年3月11日(月)

▼有識者らでつくるコンプライアンス懇話会にずいぶん失礼な話ではないかと思ったのは、県職員の不祥事や事務処理ミスの再発防止策の公表だ。1月半ばの初会合に提出された膨大な中間案にあきれ、年度内策定方針に異論も出ていたが、同月末2回目の会合を開き、答申なども受けることなく、最終案をまとめた

▼初会合で、嶋田宜浩総務部長は「(中間案では)ポイントが外れている可能性もある。意見を参考にして進めたい」。参考意見を聞きたいという程度だったようだ。県議会常任委に「意見を踏まえた」と説明する申し分のない〝隠れミノ〟〝アリバイ証明〟の役割を務めてくれたということだろう

▼「懇話会での主な意見」を12項目にまとめている。手際がいいが、中間案に対し「もう少し本質的な問題があるのでは」の指摘は書き込めなかった。「組織の風土や文化といった根本の分析をする必要」は「組織の文化、風土として浸透させることが必要」とお茶を濁している

▼「プライドを持たせる」「(対策を)有機的に機能させる」「中間案はいろんなことを書きすぎ」などの指摘も書きにくかったようだ。「ポイントが外れている可能性」は残ったまま、最終案はめでたくスケジュール通り完成した

▼委員が指摘したのか、職場改善活動や「トップメッセージを繰り返し伝える」「研修、自分で教えるなどが意識の浸透につながる」など、北川改革で聞いた項目が並ぶ。基本は同じということか

▼総量33ページ。職員倫理憲章、倫理確保指針に加え新たに内部統制を強化していく。仕事どころではない。