伊勢新聞

2019年3月6日(水)

▼「重箱の隅を突っつく」というのが県監査委員による監査結果に対する職員評だが、ますます拍車がかかってきたようだ。みえこどもの城の指定管理者、三重こどもわかもの育成財団が一昨年から10年計画で特定目的のため資産を取り崩して事業を進めていることに対し、経費削減を要請し、所管する子ども福祉部に助言を求めたという。余計なお世話ではないか

▼30年度の定期監査では、「データ放送」が見直されることに言及がなく、導入時の担当部長が代表監査委員に転身していることで意図的な無視ではないかと複数議員から勘ぐられた。「効果的メディアミックスを求める」などの人ごとのような記述が、火に油を注いだのかもしれぬ

▼今回は出資団体や指定管理者、補助金や交付金の支出先など25団体が対象だが「重大な誤りは認められなかった」。原則公募とされながら、無競争で長年非公募状態が続く体育協会が外れた。10年前の包括監査で、再委託の随意契約が指摘され、3年前は指名競争入札と実質随契が問題だとされた。知事が会長なだけに手が出せなかったか

▼同じ指摘を受けた下水道公社は対象団体になっているが、修繕費を指定管理料から支出したとして返還処理を求めただけ。外部の有識者で構成する包括監査のようなまねはとてもとてもということだろう。議会で問題が多いと指摘された地方卸売市場の冷蔵庫の老朽化など3年前の包括監査でも指摘されているが、やはり対象外。いかに「重大な誤りは認められなかった」という結果を導くかが監査委員の対象選定の腕かもしれない。