伊勢新聞

2019年3月5日(火)

▼毎年積み立てる県債管理基金だが「今年は余裕がないからやめやと。そんだら金が余ってきた。もういっぺん積み立てよか。そんな感じ」。財政難で2年続きで新年度当初予算の積み立てを見送りながら、旧年度最終補正で33億円積み立てたことを奥野英介委員がそう表現した

▼県議会予算決算常任委員会。「ぞうきん絞って絞ったあげく余ってきた。行き場がないんで」とも。金が本当はあるんじゃないかと県民にも疑われるとして「いい加減な。真剣に予算編成やっているのか」。友人にテレビに映るときの質問は分かりやすくと忠告されて臨んだという。効果はあったのではないか

▼県債管理基金積み立ての不透明さは西場信行委員も質問していた。聞いていた奥野委員は「明確に答えず、やっつけ仕事をやっつけたような答弁」。国体運営基金の昨年末概算要求が18億円。フタを開けたら2億円。「財政のプロである総務部の要求なのに(この落差は)なぜか」(西場委員)という問いに、嶋田宜浩総務部長は「積み立て金が少ないじゃないかという質問だが」と切り出し、お定まりの財政事情を一席。やっつけ的ではある

▼「県債積み立ては、計画的とチャンスに応じた機動的の両面がある」と鈴木英敬知事。計画は庁内議論の段階で議会に示せてないので「行き当たりばったりに見えるが、一定議論しながらやらせていただいている」。計画が未熟ということではあろう

▼今後とも臨機応変に積み立てる姿勢を示して嶋田部長は「最終補正になるとは思うが」。行き当たりばったりは―見えるだけでもない。