伊勢新聞

2019年2月18日(月)

▼鈴鹿市PTA連合会会長がスクールセクハラに対応するための会合で「連日、全国各地で教職員のセクハラ事案の報道がある中」と前置きし、市でも一昨年の一件を含め、五年で二件市教委に報告されているが「公表されておらずあまり知られていない」

▼危機意識がにじむ。一昨年のケースは、担任教員が教室で子どもに抱きつく行為。教員はすでに退職しているが、市教委は懲戒処分に該当しないとして公表せず、保護者は納得していないという。参加者の一人は「先生たちにも緊張感を持ってもらい、子どもたちが安心して通える学校を一緒に作りたい」

▼因果を含めて辞職させたか。公表もせず、処分もせずでは「先生たち」も緊張のしようがあるまい。全国を見渡さなくても、スクールセクハラ事例は県に事欠かない。県立高校教諭が部活動の教え子に個別指導と称し自宅などで膝の上に座らせたりしたのが昨年夏。今年1月にも中学校教諭が女子生徒へのセクハラで処分されたが、発生は一昨年だ

▼教え子に抱きついて処分に該当しない理由が分からないが、先の県立高校教諭も処分は停職6月。処分基準が甘いこともあるのだろう。県教委が一昨年11月改定した「懲戒処分の指針」は、セクハラに関しては平成19年のまま。児童生徒に対しても、教職員に対しても、基準は同じなのだ

▼「相手の意に反することを認識の上で」が対象で、性的関係も「職務上の立場を利用して強いて」の条件付き。スクールセクハラの深刻さなどは本気で考えたことはないのだろう

▼PTA関係者が歯がゆく思うはずである。