伊勢新聞

2019年1月10日(木)

▼四日の各党党首の神宮参拝で、「県内」の限定付きではあるが、参院選へ向けて岡田克也衆院議員の名をあげ「リーダーシップに期待」したのは国民民主党の玉木雄一郎代表だった。いよいよ立憲民主党会派との合流の日を迎え、どんな思いか

▼国民民主つぶしにくるのではないかと、党内は警戒を強めているという。分かりにくい選択ではある。立民、国民、無所属の会の旧民進党系3党・会派のいずれもが、口では参院選の野党統一候補の必要性を強調している。しかし、行動はむしろ逆の方向を進めているように見える

▼まるで旧民主党だと言っては言い過ぎだが、なぜ今なのかについて、岡田代表は一年の活動の結果が旧民進党系統合に結びつかず、逆に対立が激化して硬直したことをあげている。無所属の会が接着剤となる考えを捨て、立民を強化するとともに、合流に伴い立民内部に変化を促し、野党結集を目指すとしている。半年で達成できるか、はなはだ心もとない

▼岡田氏らが立民へ入党せず、会派の合流にとどめて無所属としての政治活動の継続を強調しているのは、国民との橋渡し役を完全には降りていないという立場を維持するためだろうが、国民側だけでなく、立民側にも警戒心を生み、これまで以上にどっちつかずになり、身動きとれなくなりはしないか。三重民主連合結成とも矛盾する気がする

▼自民党から新進党、政権交代へと政治改革の中心に居続けた岡田氏が、ある意味初めて名実ともにリーダーになって信念を貫こうとした無所属の会である。あまりにはかない命だったことを惜しむ。