伊勢新聞

2019年1月5日(土)

▼統一地方選の首長選は無風の兆しで、選挙戦となるかどうかは朝日町長選の日程にかかわるというのが目下の展望らしい。政治無関心層が地方へも及んできたか、市町村合併が新人の挑戦を難しくさせたか。鈴鹿市の無投票続きの観測などは今昔の感がある

▼時代背景を受けているのかもしれない。女性活躍の時代といわれる中で、末松則子市長は体現している印象はある。全国的に話題になった給食中止問題では毅然とした対応で逆に好感度を高めた。乳幼児の医療機関窓口無料化への取り組みも女性ならではイメージと重なる

▼商議所会頭、教育長も女性で、昨年11月の「女性活躍推進サミットin SUZUKA」ではトップ3人のトークを実現させた。三人力みたいで、ちょっと太刀打ちしにくい気はする。市長選が予定されているもう一つの津市の前葉泰幸市長も、アピール力では負けていない

▼前回参院選で自民候補を応援した鈴木英敬知事を批判して県議会会派新政みえの三谷哲央代表が開票日、芝博一氏の祝いにも来ないと言って「前葉さんは来たのに」。駆けつけた名士らの中で、それだけ目立ったのだろう

▼総務官僚出身らしく国の制度利用は巧みで、最新の広報紙のコラムでは厚生労働省の有識者会議のメンバーとしての活躍ぶりを書いていた。長寿社会実現に医療と介護の垣根を越える必要を指摘し、国の「高齢者の低栄養防止・重症化予防推進事業」で先進的取り組みを市全域に広げるという

▼その意気込みに拍手するとともに、一志病院活用に消極的なアンバランスに、ちょっと首をかしげた。