2019年1月4日(金)

▼本紙3日付が選挙情勢の展望なのは恒例だが、統一地方選を控えた年となると、緊迫感で正月気分も吹き飛ぶ。注目の知事選が2面に回っているのは異例だが、「現職が進退を明らかにしていない以上はどうすることもできない」(県議会会派新政みえ・三谷哲央代表)という趣旨とは違う意味で、やむを得ない仕儀か

▼参院選で自民陣営が鈴木英敬知事の応援を期待し「安倍総理から依頼されれば断れないだろう」。前回参院選で応援したのは要請プラス伊勢志摩サミット誘致やリニア新幹線着工前倒しなど、県に役立つという大義があったからで特別、というのは知事の釈明だが、自民陣営は「総理の依頼」がカギと見ているということだろう

▼知事の大義と周囲の受け止め方が異なるのは「熟慮中」と言い続けている知事選の進退表明でも同じ。昨年最後の記者会見。問い「現職の責任としてタイムリミットは?」。知事「現職の責任とタイムリミットっていうのはちょっと。現職の責任として表明するが、タイムリミットを設定する性質のものではない」

▼続投するならいいが、そうでなければ混乱を避けるために期限を考えるのは現職の責任だろう。「3月というわけにも」と聞かれて、知事は「中身と時期を含めて熟慮します」。「時期を含めて熟慮中」と言い直した

▼「年末年始よく考えろと言う方も」とも。年末は忘年会や大掃除。元日は新年祝賀の儀に参列。3日まで家族と過ごすという。会見の最後に「良いお年を。今年もお世話になりました」。一昨年のように「来年もよろしく」とは、言わなかった。