<1年振り返って>インターハイ 高校生が支えた地元開催

【約5000人が参加して行われた今年度インターハイの総合開会式=8月、伊勢市朝熊町の県営サンアリーナで】

三重など東海4県を中心に開かれた今年度全国高校総合体育大会(インターハイ)「2018 彩る感動 東海総体」は8月に閉幕した。7月末から県内で始まったバレーボール、ハンドボールを含め30競技を行い、14の競技会を県内で開いた。三重でインターハイが開かれたのは県単独で開催の1973年以来。県勢の入賞数は50を超え昨年の32を上回った。県内78校9千人の高校生も運営に携わり、45年ぶりの地元インターハイを支えた。

県勢の優勝は2人で4種目。いずれも8月6日に競技会が行われ、静岡市の草薙総合運動場体育館で開かれた体操競技で暁高校3年の長﨑柊人選手が男子種目別あん馬で優勝。昨年度優勝者として臨み、2連覇を果たした。亀山市の西野公園体育館で開催した重量挙げ男子94キロ級では、亀山高校3年の増田竜星選手がスナッチ、ジャーク、トータルの全3種目を制して完全優勝した。

増田選手は鈴鹿市立白鳥中時代に、男子中学生選手権で全国優勝経験がある。昨年のインターハイは85キロ級に出場し、2年ながらスナッチ7位、ジャーク9位、トータル9位と健闘。今年は階級を94キロ級に上げて、地元インターハイで見事優勝を果たした。

両選手とも、県競技力向上対策本部の今年度強化指定クラブ所属だ。県などは、国体、インターハイなどの活躍を期待して2012年度から強化クラブを指定。ジュニアチームから大学・企業チームまであり、今年度は高校運動部だけで30校68部(高校野球含む)が指定され、活動費の援助などの支援を受けた。

選手を支える側に回った高校生たちも地元インターハイで輝いた。2016年には、高校生ならではの大会PR、おもてなし活動を企画実施する高校生活動推進委員会が発足。インターハイ参加者に配る伊賀くみひものミサンガ作りなどに取り組んできた。

8月1日の総合開会式では歓迎式典の演技、式典アナウンサー、入場行進の先導隊やプラカード係などさまざまな仕事を県内高校生が担当した。開会式以外にも、インターハイ期間中、県内主要駅に設置した案内ブースの制作・運営、競技会場での補助員など仕事は多岐にわたり、インターハイに関わった高校生の数はのべ9千人に及んだ。

総合開会式の入場行進で三重県選手団のプラカード係を務めた高田高バトン部3年の三輪明日香さんが、行進を前に「自分も高校3年間の成果を出し切る」と目を輝かせていた姿が印象的だった。阿形克己県高体連会長は「(インターハイを通して)普通の高校生活では体験できない経験をできたはず」と話し、「その経験をこれからの人生に生かして欲しい」とエールを送っている。