2018年12月15日(土)

▼建築基準法に違反したブロック塀が見つかった問題で、規定が施工業者に認識されていたかの質問に県当局が「十分に伝わっていなかった可能性がある。規定は地震が発生する度に啓発してきた」。落ち度はないということか

▼県議会防災県土整備企業常任委員会だから県当局とは防災対策部だろう。学校施設での大量ブロック塀問題では「(点検している)専門業者から指摘はなかった」と鈴木英敬知事が語ったのに対し、廣田恵子県教育長は「してもらっているつもりだったかもわかりませんけど、細かい指示は出してなかった」「認識が甘かったのではと。こちらの側の」

▼防対部は「こちらの側」の仲間ではないということだろう。県有施設の約二割で、法改正で義務づけられた点検を一度もしていなかったことが発覚したのが9月。「制度を周知する仕組みがなかった」と陳謝したのは同部だった。啓発と周知は別ということかもしれない

▼不祥事再発防止にコンプライアンス懇話会(仮称)を設置するという県当局に、総務地域連携常任委では「早い段階で議会議論を」と三谷哲央委員。「職員に自覚がない」のだから「外部に意見を求めても、どれだけ監督しても駄目」は奥野英介委員。議会の方が問題は熟知しているということだろう

▼県は不祥事に「不適切な事務処理」という言葉をまた入れたらしい。「意図的ではない」は、障害者雇用率で散々耳にした。「だから法には違反しない」という言葉使いを次々生み出す県職員に、法令順守(コンプライアンス)懇談会とはこれいかに―漫画みたいな気はする。