伊勢新聞

2018年11月5日(月)

▼「仕事する上で『女性だから』と思ったことはないし、あまり感じない」と「女性活躍推進サミットin SUZUKA」で、末松則子市長ら対談した市の女性トップ3人が口をそろえたという。誰が一番先に言ったか。最初にそう言われると、異を唱えにくい言葉には違いない

▼「女性だから」などと思っていてはとても今日はなかったということかもしれない。平成7年は北川正恭知事の誕生で県議会の会派構成も大きく変動した。本会議場の議席配分でまず手間取った。会派ごとに固まり、1期生を最前列に期数増ごと後列になる仕組みだが、所属議員数が違うから多少の凸凹はできる。北川与党の少数会派長に何が問題か聞いたら「順に割り振ると(他会派の)1年生の女性議員が2列目にくる。それがしゃくにさわってな」

▼何かの折に実名で書いたら、当の女性議員から〝抗議〟の伝言がきた。会派長には議会のことを教わり、親切にされている。そんなことがあったなどとはとても思えません、という趣旨。書いたのも〝抗議〟内容もどちらも事実だろう。セクハラ、アカハラなどハラスメントの厄介さもそこにある

▼入り組んでいて引き離すことができない。普段は何事もなく過ぎ、何かの神経に障った時思いも掛けぬ火が噴く。

▼ハラスメントにならぬか「近ごろ話をするのに神経が疲れる」と言ったのは稲垣清文副知事だ。最近は行き過ぎだと周囲に慰められていた。聞き流す、受け流すなどのすべを身につけることもなく、何の気兼ねもいらない社会にどっぷり漬かってきたツケが、今回ってきている。