▼県のかつての教育長が「夜間に報道機関から電話が入るとドキッとする」と語っていた話は以前書いた。また児童生徒が問題を起こしたかという不安からである。今の廣田恵子教育長は「また教員が問題を起こしたか」とドキッとする日々かもしれない
▼7月に道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された津市の中学校教諭を懲戒免職処分にすると発表し、陳謝した。サッカー部顧問として参加した他校との練習試合後の懇親会で飲酒し車を縁石に乗り上げた。学校の駐車場まで他の出席者に送られて後、運転したという
▼逮捕直後の津市教委の話では、他の出席者は教諭が車で帰ることを把握していなかったという。苦しくはないか。運転することを承知していれば飲ませた方も送った方も同罪である。県教委はどう判断したか。説明はない
▼廣田教育長は「駄目なことだと分かっていながら起きているのはなぜか。根絶のためにゼロから考え、再発防止策を練り直したい」。本心か
▼8月に非常勤1人を含む教職員4人を処分した。2人がわいせつ行為、2人が道交法違反。「今後の方針」は1つだった。「まとめて」ということだろう。「信頼を損ね重く受け止めている」「各市町等教育長及び県立学校長に服務管理徹底を通知」「あらゆる機会を捉え意識の高揚」の3点セット
▼逮捕直後に抜本的再発防止策を問われ、廣田教育長も3点セットを繰り返して「抜本的になるか分からないが」。おざなりでゼロから考えてこなかったことがいつまでも根絶に向かわない原因に違いないが、今回も期待できそうにない。