伊勢新聞

2018年8月3日(金)

▼全国高校総合体育大会(インターハイ)で来県された皇太子さまは鳥羽国際ホテルでの昼食時に鈴木英敬知事らと懇談し、近年の部活動のあり方に話が及ぶと「熱さ対策にぜひ気を付けてください」と述べられたという

▼映画『ローマの休日』で、ローマを訪問した王女が記者に好きな街を問われ「どこの街にもそれぞれの良さがあります」と答えるシーンがある。発言が何らかの影響を及ぼすことを控える帝王学と解説される。皇太子さまの即位の準備万全をうかがわせていただいたが、それにしても、県内でも越境入学問題が出たばかり。議論百出で岐路に立つと言っていい部活動について誰が、どんな形で話題にしたのだろうか

▼6月の報道機関との懇親会で、あいさつした鈴木知事は、かつての運動部では水を飲むなと指導されたことから切り出した。現在は真逆になっているとして、県政でも変えるべきものを進めていると結論づけたが、県教委が3月、部活動ガイドラインを策定し、熱中症対策も盛り込んでいる。部活動、特に熱さ対策に知事も関心が強いに違いない

▼県が「運動部活動等における体罰等の防止方針」をまとめたのが平成25年1月。文書、訓告などの処分が年間、7件報告されていた。「体罰等」とあるが、指摘は物理的行為だけ。「ガイドライン」になって言葉や態度による脅し、威圧が加わった

▼脳への損傷は後者が上という研究報告もある。体罰とパワハラの関係も今後変わっていくことだろう。取りあえずは熱中症の猛威の中で、モデル対策も視野に若人の熱い闘いを三重の地で。