伊勢新聞

2018年7月18日(水)

▼16日の祝日が何の日かしばし思いつかなかったのは「海の日」をハッピーマンデー制度から当初の7月20日の固定日にしようと躍起の海事振興連盟に対し申し訳なかったが、永田町の常識が国民の非常識という言葉もある。日本人はそう記念日にこだわる国民だろうか

▼旧暦7月16日は盆の送り火の日だが、新暦8月16日に定着している。七夕は西日本と東日本で7月7日と8月7日分かれる。旧暦は平均して新暦で1月少々遅れるが、1月ちょうどではない。多少の違いはまあいいじゃないかということだろう

▼盆はもともと先祖に備える器の意味。年の前半の始まりを正月、後半の始まりを7月の盆として、それぞれ供養してきたが、道教の三元の思想と混じり、中元の7月15日と重なった。さらに父母供養の仏教の盂蘭盆会である7月15日と融合する

▼「盆と正月が一緒に来た」は、盆と正月で年の始まりを分け合っていた名残で「盆暮れの贈り物」は、盆と暮れで年の前半と後半の終わりを分け合う考え方に基づく。盆はお中元、暮れはお歳暮として、世話になった人へ感謝の気持ちを表す習慣とも結びついている

▼東京五輪の開会式翌日に移動させるかどうかで自民党が火花を散らした。ハッピーマンデー派は商業振興を狙い、海事振興連盟は固定化への取引材料にした。カレンダー業界がとにかく早期決定を願ったのが国民の気持ちを代弁していないか

▼「山の日」は8月の八の下に数字の11を書くと山に見えるから決めたの説がある。駄じゃれみたいだが、祝日にすることに特に反対はなかった。