伊勢新聞

2018年7月17日(火)

▼へぇー、県職員も手続きが煩雑なのは嫌なのかと、県への申請手続きを経験した県民なら不快な気持ちになるのではないか。煩雑な書類が要求され、少しのミスも突っ返される。「まったく信用していないのだから」

▼カラ出張発覚後の県庁改革で宿泊費は実費支給に切り替わったと考えていたのは認識不足だった。本紙『まる見えリポート』によると、県が今年3月、実費を提案したのに対し、県職員労働組合(県職労)は「手続きが煩雑」「職員を信用していないのか」と反発した。架空の出張費で巨額の飲み食いをした組織が言えるせりふではない

▼宿泊費を浮かして関係団体との懇親会費に充てるのは「なかなか経費で請求できない」ためという。もともと食糧費が使いにくくなったのは「一体どんな豪華な食事をすればこの金額になるのだ」と議会、県民の監視が厳しくなったからだ

▼架空工事、カラ出張、架空時間外、架空賃金などの裏金づくりの手口を編み出し「泥棒会社」などと議会から批判されたが、カラ出張だけは最後まで残った。交渉事に接待は付きもので、それで補償金額を下げたら県民の利益、などが大義名分だったが、巨額のカラ出張が発覚した時は大半が職員同士の飲食費だった

▼宿泊費9千円当時も、改装前の市町村会館や麹町会館の格安の部屋を何人かで利用したり、知人や縁戚の家に泊まり、そっくり浮かせていた。今は格安チケットやネット割り引きに殺到しているということか

▼懇親会費用の先方持ちも復活しているのかもしれない。県庁はやはり、改革より前例踏襲がよく似合う。