2018年7月6日(金)

▼自己都合でも利用できる通年の時差出勤勤務制度導入は、桑名市が県内自治体で初めてという。昨年7月から今年3月末まで試行して10日から本格スタート。なかなかにフレキシブルである

▼届け出が希望日の1週間前までとか、公務に支障が出ない範囲でなど制約はあるが、スタート時点としてはやむを得ない慎重さだろう。県が試行を始めたのは平成28年度からで3年目の今年、対象に所属長を加えた。試行期間は6月から9月までで変わらない。そろそろ試行を外したらどうかというのは3月の中央労使協働委員会での労働側からの提言だが、見送られている

▼1年目には、早朝出勤しても相手が出勤前で仕事にならない、結局定時まで勤務することになるなどの不評が報じられたが、2年目では好評に転じたというのが先の委員会での話だが、同時に空調やシステムが始動していないなど、体制が整っていなかった

▼職員アンケートでも「取得したい」が4割、「したくない」が3割、「わからない」が3割。割れているのは、職場の雰囲気で模様見があるせいもあるのだろう。プレミアムフライデーが始まったころ、県雇用経済部長がノー残業にして家庭で食事をすることを奨励したという趣旨の発言をし「そういう制度ではない」と岡本直之県商工会議所連合会会長が苦言を呈したことがある

▼「家庭で食事をするのがどうこうではなく、同じ食事でも家族で外食するなどして地域経済を刺激するのが制度の趣旨」。内向きの議論ではなく、県は働き方改革のモデルとしての役割も見据えていかねばなるまい。