2018年6月10日(日)

▼祝日「海の日」を固定するか、これまで通りハッピーマンデーとするかの自民党部会の攻防で、固定派が「祝日の意義を再確認し、国民の連帯感をつくるべきだ」と言ったそうである。「敬老の日」のハッピーマンデー入りに反発して「老人の日」を制定した高齢者団体に聞かせたい言葉だ。趣旨は「海の日」に限るまい

▼もともとが東京五輪開会式(7月24日)の前日を祝日としようという案が先行し、7月第3月曜日の「海の日」を候補としたが、「海事振興連盟」が反発し、翌年度から当初の7月20日に固定することを条件に賛成に転じた。観光団体の危機感を受けて、観光政策に強い議員らが巻き返しを図る構図らしい

▼固定派は「祝日の意義」に記念すべき日を想定しているようだが、その日である必要が必ずしもないものも少なくない。三連休維持派は「国民の休日」重視。祝日のない6月に一つ設けても、などと真剣に議論されたりする

▼ゴールデンウイークが映画会社の宣伝用語が起源で、現在は大型連休と訳せよう。新たに加わった「みどりの日」や「昭和の日」は振替休日の制度とともに、記念日的意義より連休の整備と考えた方がすっきりするのではないか

▼議論した自民党部会の入り口は旅行業者が「守ろう!祝日三連休」のプラカードを持って押し寄せた。働き方改革とか裁量労働制、高度プロフェッショナル制度など、国は時間ではなく成果で評価される働き方を進めるべきだとしているが、国民は国に休日を決めてもらわない限り休まないことを、旅行・観光業者は知っているのである。