伊勢新聞

大観小観 2018年5月3日(木)

▼離合集散は政党の倣いか。覆水盆に返らずとも言う。民進党県連が希望の党と結成する「国民民主党」に反発して地域政党「三重新政の会」発足へ

▼誰の目にも、昨年総選挙の混乱がもたらした必然的帰結に見えるが、昨年総選挙から8カ月。すべての動きはこの帰結への胎動だったのだろうが、岡田克也元代表は野党再結集への考えは「全く変わっていない」。お立ち合いはまだまだ山場なき芝居を見せられることになりそうだ

▼岡田元代表は「党内手続きを経て決定された以上、批判するつもりはありません」と国民民主党結成について「私の意見」で。「極めて残念」や「立憲民主党との距離がかえって広がる」「離党は釈然としない」などの発言や、地域政党結成は批判ではないのだろう。分かりづらさは相変わらずだ

▼「私の意見」で「痛恨の極み」と指摘するのが昨年総選挙での「希望の党への合流という安易で誤った判断」。こちらも党内手続きを経たに違いなかろうが、以前の執行部のしたことだ、批判しても再結集には障りあるまいということだろう。その決定には自身も拍手した一人という。自己批判しているつもりかもしれない

▼希望の党への合流決定は、当時県連の芝博一代表も「面白い選挙になる」と言っていた。当てが外れたのはお互いさまだが、裏切り裏切られの歴史を繰り返しながら自民党は政局でたちまち修復してみせる。対して民進党系は決して共に天を仰がすである。分裂の繰り返すことがどう再結集につながるか。それを解明しない限り「政権交代可能な政治」に近づきそうにない。