▼議員定数を現状の51に戻す条例改正案が決定したことについて鈴木英敬知事が「私も県民から声をいただく」。採決後は「厳しい意見の方が若干多い」と。久々に―、実に7年ぶりに議会改革への踏み込んだ発言と言えようか
▼定数削減の県民アンケートで「意見募集」と「eモニター」ば正反対だったのは周知の通り。現状変えずの条例改正で、寄せられる声に「けしからん」が多くなるのは当然の流れだが、百も承知の知事があえて披露したことに含意を感じさせる
▼平成23年の知事選で、知事は議会の定数と議員報酬の削減を政策集に盛り込んだ。具体的数、額についても他の自治体の例を通じ「自分の中にはだいたいこんなものか」の案はあるとして「ぜひ進めたい」。「私も議論に参画したい」と積極的だった
▼意欲は急速にしぼんでいくことになる。当選翌年には「議会でお決めいただくこと。僕がとやかく言うことはない」「申し上げる立場にない」。自身が給与を削減した時も「議会も一緒に」とは言わなかった。逆に、元に戻した時に「議会の意向」を理由の一つにあげた
▼「一票の格差」についても、国と地方で「ざくっと言えば違いはない」との判断を示したのは就任2年目。司法の判断からも「順当」と言い切ったが、一昨年の衆院三重選挙区の定数減では「(県政の)声が届きにくくなることは大変残念」。合わせて県議定数は「私が申し上げないほうがいい」
▼2期目最終年度にあたり、もう自分の手が届かなくなった最初の公約に思いをはせ、じくじたる思いにかられたのかもしれない。