伊勢新聞

2018年3月15日(木)

▼三重県広報のデータ放送について費用対効果の検証を求める声が、県議会常任委員会の委員からあがったのは珍しくない。広報広聴アクションプラン(改訂版)で「継続的に普及啓発を図る」と明記したことに、よせよせとも。だから言ったじゃないかの思いがにじむ

▼紙媒体からデータ伝送に切り替えに議会は冷ややかだった。紙媒体を一部残さざるを得なくなって経費削減のねらいが外れたのも議会の抵抗によるところが大きい。「情報収集の手段が多様化する中、最適な組み合わせを考える」と西城昭二戦略企画部長。そんなことより、事業の最終年度に大切なのはは説明責任、特に責任問題だろうと、議会は言いたいに違いない

▼利用の低迷が、県民の多様化する情報収集の「手段」の問題かどうか。リモコンの「dボタン」を押してまで知りたい情報を整えられるかだ。多摩ケーブルネットワークが発足した昭和58年。CATVは何1000億円市場と注目されたが、普及は進まなかった。魅力あるコンテンツを提供できなかったからだ。ゲームやアダルトで勢いをつけた最近のIT企業に通じる。「eモニター」のアンケートでどうかなる問題ではない

▼前の「アクションプラン」はメディア戦略に「トリプルメディア」の考えを取り入れた。今回はスマートフォンのアプリやケーブルテレビなどで「最適組み合わせ」を検討する

▼魅力のないコンテンツの組み合わせで〝最適解〟が得られるか。最先端の知識を寄せ集めて効果らしきものが報告できるのは結果が問われないか、税金で尻ぬぐいできるケースだけである。