伊勢新聞

2018年3月12日(月)

▼財務省が森友学園の国有地売却に関する決裁文書の書き換えを認める方針と報じた共同通信が、これで「何の目的で文書を削除したのかが大きな焦点に」。〝組織的意図〟が背後に隠れているとにおわた

▼取材に明け暮れる報道機関の見立てである。役所の中の役所と言われ、天下の俊英が集う財務省のこと、地方記者などうかがい知れぬ深い意味があるのだろう。いつぞやの鳥羽港改修工事で、県土整備部が虚偽の事故繰越資料を作成し、ばれるの怖さに情報公開に際し公文書を書き換えたのと同じだなと思ったのははなはだ皮相な見方に違いない

▼保身、立場に黄信号がつくと、どんな不正義でもやってのけるのが国、地方問わず公務員の特徴と思い込んでいるのだからどだいお話にはならない。強大な権力を財務省と二分する検察庁も、郵政不正事件で取り調べメモは「破棄した」。最高裁が公文書として「証拠開示の対象」としているのにである

▼証拠改ざんは周知の通り。小沢事件でも、秘書の検察調書は録音データと全然違う検事の創作だった。財務省もかつて〝官官接待〟が問題化した時、摘発されたノンキャリアが、キャリアは職務権限を離れてから接待を受けると、抜け目のなさを語ったという。旧大蔵省出向の県歴代総務部長も「三重は第2の故郷」とかなんとか言って離任後来県しゴルフ接待を受けた。家族ぐるみのことも

▼法務省詰めの記者が公用車の配車責任者の私的利用を見つけたそうだ。その後「どこに異動になっても貴重な情報源になってくれた」。地方と変わらないなと思ったものである。