2018年3月11日(日)

▼保護者の転居を条件としない越境入学を認める新制度について、入学者選抜制度検討会の山田康彦会長(三重大教授)が「はじめから是とするわけではなく、賛否両論がある中で議論し、透明性のある制度ができた」。自画自賛ということか

▼「県外の生徒を受け入れるという方向で検討会がまとまった」と廣田恵子教育長が記者会見で語ったのは昨年11月8日。「いろんな方から意見をいただい」たとして、県内の学校区域外からの入学も「越境入学と関連して議論すべき」の見解を表明したのは同20日。是としたかどうかはともかく、検討会の議論は「越境入学ありき」だったことに違いなかろう

▼「透明性のある制度」というのも、制度の特徴としては意味不明の気がする。透明性があるかどうかは運用後の評価の問題ではないか。旧制度も透明性十分だったが、教師らが制度違反に手を貸して不透明にしてしまっただけだ

▼制度策定でまず問われるのは正当性、妥当性で透明性などではあるまい。賛否両論があった中で説明は尽くしたと言えるだろうか。対象校に選定した25校のうち、3校が採用を拒否した。「検討を継続する」と保留にした5校を含め、制度の正当性、妥当性に疑問符が付いたためとは想像力は働かなかったか

▼県部活動ガイドライン(中間案)で学校教育としての部活動は「短期間で活動の成果(試合に勝つなど)を求めること以上に、生徒の成長や生活のバランスを考慮した運営を心がける」。検討会の議事録は県ホームページに見当たらないが、議論にそんな視点はあったかどうか。