伊勢新聞

2018年3月1日(木)

▼今度は資料の流出という。高額土地賃料問題を調べる伊賀市議会百条委員会は毎回、ギョッとすることが報じられる。議員が情報公開請求で入手した地図を昨年末ごろの総務常任委員会で配布したら、持ち出し禁止にしたのに、調査対象の業者から提出された書類の中に入っていた。自分のメモ書きのある地図のコピーを見て、配布した議員はさぞ驚いたに違いない

▼情報公開で入手できた資料を、議会事務局が「個人情報に当たる」と秘密扱いにした理由も分からない。百条委は知らぬが、議会で取り上げられた資料などは例え秘密会であれ、かん口令や持ち出し禁止にされたものであれ、絶対入手するという思いで取材していたから、流出そのものに驚かないが、わずか数カ月後に業者の提出書類に堂々と添えられていたことにはあきれる

▼一方、百条委で調査対象になった議員が市役所現庁舎の整備工事関連入札で、別の議員が参加業者名などを職員に尋ねたとして調査を申し出た。市の聞き取りに総務部長は大筋認めながら「自信を持っては明言できない」。ところが市長は「部長からの報告は間違いなく入札参加者を問うものだった」。その市長は、議会承認を得ずに庁舎改修予算を執行したとして陳謝したばかり

▼議会も視察先での飲酒で陳謝していた。口利きは文書にという市議会基本条例も守られていない。市側も議会も、ルールなどお構いなしの体質かもしれない。口利き調査の申し入れは、自身が口利き疑惑を問われた報復という説も飛び交っているらしい。魑魅魍魎の世界をのぞいている気がしてくる。