2018年2月23日(金)

▼「イクボス」とか「イクメン」と言って男性が育児に協力している気になっていられるのは、社会が男性中心に回っていることだという警句がある。男女が当たり前に育児をともにしている社会ならそんな言葉は生まれまい

▼そんな言葉がなくなる時が真の男女共生社会だろうから、鈴木英敬知事が3年前にイクボス宣言し「イクボス同盟」だ「イクボスメールマガジン」だと力を入れ、昨年は第1回イクボス充実度ランキングで県が1位なったというのに、県民意識調査でイクボス認知度が2割程度というのには苦笑するほかない

▼「すごいやんか!三重」と知事がブログで大喜びしていたのもむなしいが、子どもができても仕事を継続してほしいという男子学生が15.6%というのでは、将来が不安になる。継続型の中に育児は女性という考え方の若者もいるだろうから、事態は数字以上に深刻だ

▼田川県政下で情報公開のルール化が1年以上の議論の末ようやく決まってから弁護士グループが欠陥ルールだと会見を求めてきた。なぜもっと早い段階で声をあげなかってのかを問うと「知らなかった」。新聞やテレビが何度も報じてきたのに、最も関係する職域集団にさえ認知されていなかったのだ

▼県が県政情報発信にテレビのデータ放送を開始したのは4年前。効果のある紙媒体の戸別配達をやめたのにはe-モニターなどのアンケートに基づくが、いかに砂上の楼閣だったかが指摘されている。当時も散々指摘したが聞く耳を持たなかったのは、県政情報発信より県の都合が優先されたからだろう。体質は変わらない。