伊勢新聞

2018年2月8日(木)

▼佐賀県神埼市の住宅に墜落した陸上自衛隊の攻撃ヘリコプターが昨年4月まで、三重県伊勢市の同明野駐屯地で練習用として使用されていたが、鈴木英敬知事は「近くに高校や幼稚園がある」としながらも「原因究明と再発防止の徹底を願う」。お願いするということか

▼沖縄の米軍ヘリ炎上を受けての行動とはいえ、県内に米軍施設を抱える知事らが「自衛隊まで民家に突っ込む最悪の事態」だとして防衛省に安全対策を申し入れている。地元伊勢市と玉城、明和両町の副市長、副町長が明野駐屯地を訪れ、米軍ヘリの不時着問題も含めて安全対策などを求めている。温度差は否めない

▼明野航空学校の攻撃ヘリが練習中に部品を落下させ、桑名の民家の物置を破損させたのは20年ほど前だったか。桑名市住宅街上空に明野と県外基地を結ぶ練習空路が設定されていることがその時初めて分かった。桑名市上空は、そのほかの空路もあってかなり過密。事故は起こるべくして起きたとも言えるとして、当時の桑名市長が防衛庁へ空路変更を申し入れたが、はかばかしい回答はなかった気がする

▼佐賀県での事故ヘリは、点検飛行に飛び立って間もなく、住宅地に墜落している。離陸から安定飛行までのコースに住宅地上空が入っていたのかどうか。明野駐屯地の離陸コースは、まさか高校や幼稚園上空に設定されてはいまいが、同型の機体数について、目達原駐屯地は公表しているようなのに、明野は「防衛上の観点から答えられない」

▼鈴木知事の看板施策である防災上の観点から、飛行コースは確認されているんでしょうな。