伊勢新聞

2017年12月17日(日)

▼「覚醒剤撲滅の啓発を目的にした動画素材を作るつもりだった。無罪にしてほしい」と、砂糖を覚醒剤に見立てた「白い粉」騒動で警察を翻弄(ほんろう)した男が福井簡裁で言った。「あんなに大勢くるとは思わなかった」とも。人を食っている

▼これを、年の瀬のせわしなさをしばし忘れさせてくれると大笑いするか、よくもまあいけしゃあしゃあと、とあきれるか。いつぞや美術雑誌がエープリルフールのジョークのつもりで「美術館閉館」と書いて抗議され「(ジョークが分からない)方々をお騒がせして大変遺憾」と謝罪してまた怒らせた。島国で肩を寄せ合ってきた国民性からは後者の人が多い気がする

▼警察官の「本来の業務が妨害された」として、男性は偽計業務妨害罪。リニア中央新幹線関連工事の不正受注事件で、東京地検が大林組を家宅捜索したのも偽計業務妨害の疑い。JR東海は公的機関ではなく民間企業のためというから、偽計業務妨害罪は警察官相手では対象にならないという弁護士の反論は筋が通る。あいまいも島国で生きる知恵だが、法の適用にまでまかり通っているということか

▼5カ所の県営都市公園の指定管理者に、応募してきたのが各1業者ずつとはよくしたものだが、競争がないことを議会で問われて1業者ずつは結果論で「応募の手続きに問題はない」と担当次長

▼入札なら参加が1業者なら延期するのだが、それは談合など刑事罰の可能性も出て責任を問われかねないためで、指定管理者選定は税金の効率活用の問題に過ぎませんからと、県民を食ってるようなことを言うかも知れない。